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ストーリー名:肝試し
全5話
スカウト!夜の怪談
シナリオライター:日日日
季節:夏
登場人物:
2wink/ひなた・ゆうた
他/泉・凛月・章臣
概要
最近平和でつまらない、肝試しでもしないか、と話していたらゆうたが校内でさんざんこわいめに遭う+泉にロックオンされる+さりげなく椚先生の過去の恥が明かされる話
詳細
2wink
レッスン後、菓子パンを食べながらひなたとゆうたが話をしている。最近あまり大きな事件がなく、平和だね、とゆうたは言うがひなたは退屈だ、と言い、零に学院の七不思議を聞いたし、肝試しをしないかと提案する。
屋外だと蚊に食われるのがいやだけど屋内なら、とゆうたも心が動いて、七不思議にはどんなものがあるのかなどと話していたところに章臣がやってきて、二人を叱る。
結局ひなたは逃げてしまい、ゆうただけが章臣のお説教をくらうはめになったが、章臣もトラブルメイカーはひなたでだいたいゆうたは被害者だということを理解している。比較的穏便に解放してくれた。
早く帰るようにと言われたが夜の学校を一人で歩くのは少々心細い。灯りのついている部屋があり、ひなたがいるのではないかとのぞいてみると、そこでは泉が転校生相手に盛大にキレていた。
そこへ顔を出したゆうたに、泉はやけに親しげに笑いかけ、転校生もろとも送ってあげる、と言う。真がまるでなびいてくれないので手頃な代用品がほしかったのだ。
学院の外へ向かいながら、愛想よくゆうたの愚痴を聞いてやる泉。何かにつけて「ゆうくん」を話題に出す泉に事情を知らないゆうたはけげんそうにするが、思っていたよりも泉は話しやすい相手だと考える。
と、泉がふいに前方に誰かがいると鋭い声をあげる。喧嘩を売る泉をたしなめるゆうただったが、泉は「ゆうたくんは俺が守ってあげる♪」と話を聞かない。
泉は完全に転校生を無視している。むしろ転校生を守ってあげるべきだと思うのだが、それなら自分が転校生を守ればいいのか、と考え直すゆうた。その転校生にぴったりくっつかれてくすぐったがっていると、泉は転校生なら自分のとなりにいる、という。
ならば自分にくっついているのは誰なのか。「こんばんは~」と声をかけられてゆうたは悲鳴をあげて泉に抱きついてしまう。
それは凛月だった。
怯えるゆうたをなだめ、どっしり構えている転校生を見習えと泉は言うが、よく見れば転校生は失神していた。仕方ないから自分がおぶっていく、という凛月。
ゆうたは凛月が誰かわからない。泉に知り合いか聞くとKnightsのメンバーでゆうたたちが所属している軽音部の部長、零の弟だと聞かされて納得する。
とにかくさっさと学院を出よう、と話していると前方の音楽室からピアノの音が聞こえてくる。それは七不思議のひとつで、誰もいないはずなのにと怯えるゆうたを笑って、凛月が様子を見にいく。
そういえばさっき前方にいたのは本当に凛月だったのだろうか。凛月は気配があまりないが、彼ら全員に気づかれずに前方から背後へ回り込んで声をかけてくることなど可能だったのか。そう言う泉にゆうたはこわいことを言わないでほしいと顔をひきつらせる。
音楽室から戻ってきた凛月が懐中電灯で自分の顔を照らして彼らを脅かす。誰もいなかったが窓が血で濡れていたの、あそこに白い影がいるのとからかわれて、ゆうたはついに耐えきれなくなって逃げ出してしまう。
凛月はおもしろがってけらけら笑っているが、そんな凛月を叱りながら泉はゆうたを追いかける。
エピローグ
ゆうたが屋上へ駆け込むと、ひなたがにこにこして仕掛けの感想を聞いてくる。
ゆうたが途中から思っていたとおり、それはひなたの仕掛けだった。校舎の窓から、屋上に人影が見えたのだ。
だが本当に怖かった、最初に七不思議の話をしたのも仕込みだったんだな、と怒るゆうたにひなたはそこには仕掛けはしていないんだけどときょとんとするが弟の剣幕に強くは言い募らずに笑いながら謝る。
そこへ泉と、転校生を背負った凛月がやってくる。もう夜中近い、本当にもう帰るよ、と言われているところに章臣がやってきて、まとめて全員明日職員室に出頭するようにと言い渡されてしまう。
さすがにもう遅すぎるので全員車で送ると言う章臣。念のため、ひなたが音楽室のピアノについて聞くと章臣は誰もいないはずだ、お化けでも出たのだろうと返してゆうたを怯えさせる。だがじっさいには弾いていたのは章臣で、凛月が調べにいった時には隠れていたのだった。その日は章臣が「彼女」にはじめて会った日で、一緒に作った曲を演奏することを毎年の習慣にしているのだ。だがその「彼女」とは陣の女装で、その彼女に恋をしたことなど生徒に知られるわけには行かないからだ。また、「彼女」の正体を知った章臣がショックのあまり屋上からあやうく身投げしそうになったこともいろいろと曲解された末に夢ノ咲学院の七不思議の一つとされているらしい。そういった過去の恥を掘り起こされないためにも、章臣は屋上には人を寄せつけたくないのだった。
考え込んでしまった章臣にどうしたのかと聞くゆうた。章臣は「なんでもない」「お化けよりもおそろしいものがこの世にはいくらでもあるという話です」と首を振る。
ポイント/考察
5話しかないわりに内容はかなり濃く文章量も多い。
泉がゆうたにロックオンしたのはこの時点。
泉を遅くまで学院に居残らせるためだけに使われた転校生や憐れ。